NINI

お越し頂きありがとうございます。

「捨てないアパレル」を目指しております、(株)ニィニ、取締役、デザイナーの保坂郁美です。

この度、お持ちの高級イタリアブランド、VALENTINOのワンピースをリメイクさせて頂きました。

お客様は大変こちらのブランドがお好きで、素晴らしいデザインのバッグや洋服をたくさんお持ちでいらっしゃいます。

お得意様ですので、特別な展示会にお招きされることも。その時に、一目惚れでこちらのワンピースをご購入したそうなのです。

こちらのワンピースは、ファーストと言って、製品化される前の試作品になるのですが実際試作品は知る人ぞ知る、素敵なお品に溢れています。

それはブランド上げて、今季新作を試作していくので、一点にかける試作品金額はそれなりになります。

こちらのニットもVALENTINOの中でも珍しいテキスタイルで、一目惚れしてしまったそうなのですが、家に戻って再度試着すると腕が上がりにくいことが分かりました。

もちろんその場でも試着したのですが、その時は気にならなかったそうです。気分が高揚していると、お店ではなかなか気づかなかったりするものですよね。

「悔しくて、つい袖の山をハサミで切ってしまったわ。だって腕が上がらないんですもの。」

なんとお持ち頂いた時には、高価なワンピースの袖山は無造作にカットされていました。

なんともチャーミングにお話されるので、笑ったしまいました。

「ちょと試着するので、見てくださる?」

試着室から、袖山が裂かれたワンピースを試着して出てこられた様子がなんとも新鮮で素敵に感じました。

「すごく素敵です!

出来ましたら、このカットしたラインをそのままにリメイクしましょう!」

今度はお客様が驚いた様子でしたが、お任せしてくださると心良くワンピースをお預けくださいました。

いざ、これを活かした形でリメイクするのは難易度が高く、一度断念しかけるところまできました。

というのも、そもそもの袖のパターンが非常におかしく辻褄が合わなく、さらに袖のアームを大きくする方法を考えるのに難航してしまったのですが、どうにか袖下の付け位置をずらし付け直す方法をとりました。

また程よく避けないジョーゼットを下にもう一枚あしらい、着やすくしました。

袖山もそのまま位置ではおかしいですので、付け位置を交差させ、発想を逆転しむしろデザインポイントにしました。

また思い切って身幅も出したのですが、ニットが緩やかに斜行していてこれも難航。

雰囲気のある、さらにニット素材にピッタリ合う別の素材を選ぶのにも苦労しましたが、さらにそれをどういうラインにするのか、更に苦労しました。

結局、ボディーに着せたまま立体裁断しつつ、丁寧にラインを作り込みました。

その後の縫製も大変でしたが、その甲斐あって素敵にリメイク完成しました。

あたかも最初からそういうデザインであったかの様に。ニィニのリメイクはまさに、さりげなく寄り添うデザインに落とし込んでいきます。

お客様にも大変喜んで頂き、スタッフ一同ホッと嬉しい気持ちでいっぱいです。

只今、毛皮のリメイクをご依頼、間も無くトワルが上がってきます。

またご報告させて頂きますので、是非お楽しみくださいませ。

 

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