NINI

お越しいただきありがとうございます。

「捨てないアパレル」を目指しております(株)ニィニ、代表取締役、デザイナーの保坂郁美です。

 

今回も先週に渡り、新作の制作の様子をご覧いいただければと思います。

では、ファスト(一番はじめに作られたもの)のデザインチェックの様子をご紹介させていただきます。

 

デザイナーといっても、様々なスタイルがありますが、私はイメージを絵で描きます。

それは私が美大出身者だからか、絵を描くことは日常的であり、文章を書くことと、あまり感覚として変わりなく、相手に自分の頭にだけあるイメージを伝えるのに、とにかく絵が手っ取り早いのです。

出来上がると、パタンナーに軽く補足程度にイメージを伝え、その後あえてそれ以上の情報を与えません。

「こんなイメージ画だけでは、よくわからない。」

「もっと具体的に、平絵を描いて欲しい」

そう言うパタンナーさんもいらっしゃいますが、今のパタンナーとはそうはなりません。

私は陶芸で立体物を作ってきた経緯から、一貫して立体物は個人制作でした。

しかし今では、完全チーム制作に変わり、当初なかなか環境に慣れず、戸惑いましたが、直ぐにチームならではの効率性を肌で感じ、新たな環境に馴染んでいきました。

 

チームでタッグを組むメリットは、一体なんでしょう。

それは、次の工程に進む時、個性が切り替わる、その隙間にあります。

デザイナーとパタンナーが、違う人間であれば、絵から受ける印象は当然変わります。そこが、私はとっても面白いと感じたのです。

自分が予期せぬ線を導き出し、立体物に仕上げたものを、共有しニィニらしさを作り出す。

それが、毎回新鮮でワクワクします。

縫製チームに渡ると、彼女たちの感性と共に、素材に寄り添い、デザインを構築していきます。

一人で悩み進んだ作家時代は、それはそれで楽しかったし、納得しながら完成に向けて前進していきました。

しかし、チームとタッグを組んで取り組む仕事は、もちろん言葉に尽くせぬ大変さはありますが、それ以上に、チームの能力に感動できる環境に、感動するのです。

相手を信用せず、何から何まで自分でやったからといって、決して良いものが出来るとは限らないのが、ものづくりの世界です。

せっかく個性の違うチームでやるのだから、完全にチームを信用し、イメージを託し、立体物にしてもらう。

ある意味、時間というリスクははらみますが、面白いものが出来る確率は高いです。

もちろん、反対に転ぶ時もありますので、その時は率直に相談し修正すれば良いだけなので、全く問題はありません。

 

とは言っても、新作制作は前途多難、本当に大変な作業ですので、裏話はつきません。

しかし、今日はこのくらいにして、またの機会にさせていただきます。

 

本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。また、明日お越しいただけますこと、楽しみにしております。

 

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