NINI

おはようございます。

ニィニのデザインをしております保坂郁美です。

金木犀の優しい香りが仄かに街を包み込み、朝から幸せな気分になります。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は、ヴィンテージ(Vintage)生地のお話をさせて頂きます。

そもそも「ヴィンテージ生地」とは、どういう生地を示すのか。

この定義は結構曖昧なものがあるようで、大体30年以上経っている物をヴィンテージ生地として扱って間違いないのではないかと言われています。

ヴィンテージは、ただ古いだけでなく、年月を経て程良く味わいがでたものであり、素材として完成度が高く、価値が高い年代物の生地を言います。

ただの古い生地と混同されがちですが、「ヴィンテージ」という言い方をする場合は、歴史的価値がある場合が多く、ユーズド(古着も含め)と一線を画し、主に、1970年以前のアイテムを指します。
   

当然、当時と今では物価や労働賃金など違いますので、手間がかかりすぎる上質な物も、現在では考えられないコストで生産されていた生地も存在しています。そして何より、今では見られない華やかな色や柄、質感、そして経年による雰囲気や味わいといったものがあり、今でもなお私たちを魅了し続けます。

ニィニは以前、高級ヴィンテージ生地を提案されている方とコラボイベントで、お客様に洋服を制作させて頂いたのですが、当時の生地のレベルの高さに驚きました。

昨今アパレルが提案する生地は、全体的にレベルが低くく選ぶのに苦労しています。

値段の割に、生地の厚みは薄く、プリントの種類も狭まっています。

そのような中、3050年前に生産していた素材は非常に魅力的です。

生地は上質で肉厚、かつ施されている刺繍やプリントなどの加工には目を見張るものがあります。

    

今生産された素材を全て否定はしませんが、それでも時代に媚びる、何とも言い難い寂しさを感じます。

新しいものを追い求めることに囚わた、アパレルの哀しい現状を突きつけられた想いになります。

地球の恩恵の元、持てる技術と感性で生み出された素材を一時の価値観で、意図も簡単に手放す私たち。

ニィニは「今」だけに囚われず、「良い」と思えた素材とデザインで洋服を作りたいと考えます。 

 

今日も、ヴィンテージ生地を積極的に提案し、丁寧なものづくりを発信できるよう、そして皆様にもその価値を少しでも知って頂るよう、ニィニスタッフ一同精一杯精進して参ります。

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